「新宿中村屋」の「must have item」は、「純印度式カリー」です。
消費者が、そこを選ぶ理由に、「お値段以上の満足」てのは大事だけど、選び続ける理由には、「サービス相当の納得できる価格」と、「価格相当の一定水準に安定的な“おもてなし”」が常にあるという事が、最も重要なのかも?て思う。
老舗が、今なおそこに存在するのは、この継続の力を持ち続けてきたという事なのではないかと思う。
新宿中村屋本店2F「ルパ」にて、オーダーすべき定番メニューとは、超有名な、あの「純印度式カリー」です。
(「ルパ」があった旧本店は、改装のため平成23年10月19日に閉店、「純印度式カリー」は、平成26年10月29日にグランドオープンした商業ビル「新宿中村屋ビル」8階のカジュアルダイニング&日本ワイン「Granna」地下2階のレストラン&カフェ「Manna/マンナ」にて、ご注文が可能な様です。)
食堂で愉しむ日本のライスカレーの歴史において、新宿中村屋本店のインドカリーは、欠かすことのできない存在であり、昭和2(1927)年6月12日に開設した「喫茶部(レストラン)」にて、当時ひと皿80銭で提供を開始して以来、けっして色褪せる事なき伝統の味わいを提供し続けるのが、こちらの「純印度式カリー」と言えます。
淡路・丹後の専用農場で低農薬・有機栽培した玉ねぎ、オリジナルブレンドのカリー粉、コクのある特製濃厚スープと自家製ヨーグルト、天然塩を使用するこだわりは凄いと思います。また、ライスカリーのライスは重要で、幻のお米・白目米を復活させる等にも取り組んでいるようです。現在、白目米は、「Granna」にて、提供されるインドカリーに使用されているそうですよ。「Manna/マンナ」で供されているライスとの食べ較べをしてみるてのも楽しいかもね。
伝統の味てのは、元のレシピのほか、使用調理器具や設備、調理素材、調理手順・手法等を変えない事が、必須なのでは無いと個人的に思ってる。調理器具や設備が進歩すれば、生産性が向上した上で、大量かつ味わいの度を保った伝統のインドカリーが提供できるし、食材についても、昭和2年当時の日本で入手困難であったものも数多あっただろう事に思いを巡らせた場合、当初に、全く何の課題が残っていなかったかも知れないと想像できるし、それから現在にかけて、より理想形の味が出せる素材が出現すれば、そちらにシフトしたからと言って、インディアンスタイルなライスカリーの伝統が壊れるわけではないと思う。要は、今を担っている者が、原典の創意を汲み、そこで変えちゃいけない部分と変えていくべき部分を、分かって取り組んでいるか否かに、DNAの根幹みたいなところで、伝統の味って感じられるかどうかが分かれるて事じゃないかと思うよ。
例えば、2000年に頂いた「純印度式カリー」と本店ビル改築後の「Granna」で頂いたそれとは、「違う」と思う味わいのポイントが、幾つか感じられて、それは、強ちダメな違いではない風にも思った。その期間のお店の変化はあると思うし、食べるこちら側の変化もあるし、勿論、時代の変化だってある。この変化は、自分には検証する余地もないけれど、もしかしたら、原典の味わいに近いものへと前向きに変化したのかもしれないよね。
ちなみに、2016年5月に訪ねた際に頂いたのは、「カリーコース 3,000円+税」だったよ。
<コースの内容>
1.スパイス前菜の盛合わせ
2.淡路産新玉ねぎの冷製スープ
3.カリー〈1品お選び下さい〉迷いなくAを選択。
A.中村屋 純印度式カリー
B.季節の野菜カリー
C.軍鶏のコールマンカリー(+\1,000)
D.シーフードカリー(+\1,000)
4.本日のソルベ
5.コーヒーまたは紅茶
ライスカリーと一緒にお飲み物をってなると、「ラッシー」が「マンゴーラッシー」が定番的によく合うけど、アルコール飲める人なら「ビール」をプハーしながらってのが、カレーなる気分を盛り上げてくれるとっておきな楽しみ方かね。
ちなみに、「Granna」で、日本ワインとともに楽しむなら、スパークリング系があれば無難かも知れないけれど、赤ワインなら、マスカットベーリーA主体のものが相性好いと思うよ。コース仕立てに、前菜から、泡、白、赤の流れで楽しめるなら、なお善き哉だね。
マスカットベーリーAは、オールドワールドなワイン通にはネガティブに捉えられがちな特有の“キャンディー臭”てのがあって、フレンチには不向きと切り捨てられちゃうかも知れないけれど、スパイシーなソース系お料理には、これが逆に合うって寸法なのさ。個人的には、“醤油顔なワイン”て思っているので、カレーやスパイス料理のほか、すき焼きだとか、きんぴらや根菜系を焼いたお料理だとか、串カツとかの揚げ物だとかと、相性好いって思うよ。あと、樽香の効いたものなら、岩ガキのポッシェやフォアグラのポワレとも、それから、赤身のマグロ、カツオ等の料理にも、合わせて好かった事があったかな。
さて、新宿中村屋伝統のインドカリーを楽しみたいなら、次の順位でオススメしておこうかと。
1.昭和2年当時にタイムトラベルして、その現場で味わう。但し、只今の科学技術では不可能!
2.「新宿中村屋ビル」8階のカジュアルダイニング&日本ワイン「Granna」地下2階のレストラン&カフェ「Manna/マンナ」にて味わう。
3.冷凍の「新宿中村屋 伝統のインドカリー」をお取り寄せして、お家で味わう。
4.缶詰の「インドカリー《チキン》缶」をお取り寄せして、お家で味わう。
そんな訳で、新宿中村屋の伝統のインドカリーは、食堂に出向かなくても、お取り寄せって手段で、お家でも、ちょっぴり再現できる。直営の通販サイトがあるから、食品そのものとか、代金決済とか、いろいろな点で安心してお取り寄せが可能だよね。
お取り寄せカレーは、勿論、通常食としても、便利に使えるのだけど、非常食兼用で保存食としても利用価値が高い。となると、レトルト食品も手だけれど、レトルトカレーには、味わいの再現と言う点で、多少抵抗がある。何というか、新宿中村屋ブランドのレトルトカレーで絶賛すべきものに出逢っていないのも、その抵抗感から来ているのかも知れないよ。
レトルトパウチは、元々宇宙食の研究開発がきっかけで生まれた製法なのだそうで、ある側面での食品の安全性と言う意味では、この密封加圧殺菌する製法は、素晴らしいのだけれど、もう少し、料理を科学する視点を加味して開発すれば、味わいという点でも、解決する問題なのかもしれないって一般市民としては思う。
それに較べて、缶詰は、製法の歴史としては、レトルトパウチより古く、原始的なのかも知れないけれど、シンプルに、まさに味わいそのものが缶詰される気がして、こっちの方が好きなのだけど。あと、プルタブ方式なので、オープナー的な器具要らずで、開け方は簡単。
公式推奨ではないかもしれないけれど、個人的には、缶詰の中身を鍋に移したら、1缶の分量に対して、食塩不使用のトマトジュースを100ml加えて、火にかける様にしている。
新宿中村屋の「インドカリー《チキン》缶」「インドカリーマイルド《チキン》缶」「ビーフカリー缶」を詰め合わせた缶詰なら、こちら!
|
カレーと相性が良い保存方法は、やっぱり冷凍じゃないかって思う。冷凍環境がある場合に限られるけれど。冷凍食品て、所謂、“冷凍焼け”みたいなのが、気になる輩もおいでじゃないかと。かくいうわたくしも、そっち派かも?
でもね。冷凍技術もパッキング技術も向上しているからね。味わいの収納力と再現力では、冷凍及び解凍&調理は、「限りなく伝統の味わいそのまま」に、いい感じな再現力を発揮して、美味しくお召し上がりぃになれると思うよ。
新宿中村屋伝統のインドカリーが楽しめる冷凍食品なら、こちら!
|
本記事は、2000年12月9日以前の倶楽部まさやん日記を復刻編集加筆し、リニューアルしています。